西川設計室で設計監理をする建物の6割程が鉄筋コンクリート造の住宅で4割が木造・鉄骨造・混構造の住宅です。
という事で、
[ コンクリート ] の事について少し書きます。
まず良いコンクリートとは一言でいうと単位水量を出来るだけ少なくし,施工性が良いものである。
つまり必要な強度を発揮し収縮率は小さく水密性・耐久性が高く耐久年数の長いコンクリートです。
文章で書くと上記のような事になるのですが実際にコンクリートをコントロールするのにはしっかりした知識と多くの経験が必要になってきます。
コンクリート打設前には指示した内容の配合計画書が出てきます。この書類には専門的な用語が多く使われています。
例えば・・・呼び強度
粗骨材
細骨材
混和剤・・高性能AE減水剤
スランプ
水セメント比
細骨材率
塩化物量
等
ここまではコンクリートでは一般的な用語です。
では次に・・標準偏差
配合強度
単位混和剤量
単位水量
動荷重印字記録
計量印字記録
スラッジ水
等
上記の専門用語を理解し適切な数字を指示することが出来るかどうかで現場に納入されるコンクリートの品質が決まります。また安心そうな JIS規格についても注意が必要です。
コンクリートの事だけでも上記の内容はほんの一部で・・・・・・さらに鉄筋・型枠等のコントロールや打設・養生の方法等大変多くの知識が必要になります。
実際にコンクリートの建物が多い事務所は独自の配合を決めている所が多く、経験によるノウハウがありますので後は施工業者と打設の打ち合わせの方に時間を取る事が多いようです。
実はこれコンクリート建築だけの話ではないのです。木造・鉄骨造の建物も基礎はコンクリートです。木材などは検査に建て主さんが立ち会う事はあってもコンクリートの基礎についての説明はどうですか?本当は一番大事部分です。
下記の写真は最近施工をした・・・コンクリート打放し仕上げ・・・の写真です。
[コンクリートの打放し仕上げ]はうまくコントロール出来れば本当に綺麗ですし、耐震性もあります。
この仕上げは最近 気候・施工等 特に難しく 建主さんとの設計打合わせ時に相当時間をかけて説明させていただいています。
私が今まで見た[コンクリート打放し仕上げ]で一番美しい壁は、2009年にイタリアのベニスに出来た≪プンタ・デラ・ドガーナ≫という美術館の中にある壁です。
この建物は15世紀に建てられた建造物を安藤忠雄が美術館として再生したものです。
要するに改装です。古典材料に負けない美しさが表現されていました。触った時の感触もすごく
良かったです。
型枠についてもまた書きます。